お取り寄せの達人のオススメ!
小笠原由貴さん(チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰)
「何もつけなくても美味しい!」と驚く、そばの香りと甘味を堪能できる極上十割そば
山にハマった今年の夏、アルプスの山を下りて長野経由で帰宅することが多かったのですが、その長野で美味しいものをと探していて見つけたのが「紡ぎ」さん。地元長野の食材を活かした、そば懐石のお店です。
こちらでいただいた〆の手打ち十割そばが、「え、そばってこんなに香りが良いの?!凄い!!」と嬉しい衝撃!今回は、そんなそばの印象を変えたくらい大好きな、そばのお取り寄せをご紹介します。
紡ぎさんのそばは、そばの個性そのものを堪能できる十割そば。小麦は使っていません。原料のそばは、信州を中心とした生産者さんから届く、その時期に採れる最良のもの(前回お取り寄せした時は、希少な戸隠産の戸隠在来品種でした!)。そのそばをその日使う分だけ自家製粉し、戸隠の天然水と高い技術で丁寧に打ってそばに仕上げています。
届いたそばの姿は端正で美しく、見るからに美味しそう。ただ、繊細ななそばを自分で美味しく茹でられるか不安なところ……。でも大丈夫!丁寧な茹で方の説明と動画もちゃんとあるので安心です。
説明に忠実に茹で上げ、キリッと冷たく締めたそばをまずはそのまま。ほんのりとした甘み、そしてふくよかな香りが広がって、何も付けなくても本当に美味しい。そのまま全部食べてしまいたいところですが、次は美味しいお塩をちょっとだけ付けて。そばの甘味、旨味が更に引き出されて、コレ、一番好きな食べ方かもしれません。
そして最後にそばつゆを"ちょっとだけ"つけて。すっきりした旨味と塩味がアクセントに加わったこの食べ方もやっぱり美味しくて幸せです。
ところで実は私、恥ずかしながらこの、ちょっとだけつゆをつける食べ方の良さが分からず、長年つゆにどっぷりつけちゃっていました。でも、紡ぎさんのそばに出会って初めて納得。素晴らしいそばの香りと味をつゆの味で完全に覆ってしまうのはもったいないな、と、自然にちょっとつけになってしまうのです。そんな素の良さを感じるそばってなかなか出会えませんよね。
紡ぎさんのそばは、十割でありながらボソボソ感は全く無く、驚くほどなめらかでしなやかでつややか。上品な甘味と豊かな香りでのど越し良く、食べた後は体がクリーンになった気がするくらいすっきりとして、あぁ、良いもの食べたなと、心身が喜ぶのを感じます。
そして忘れちゃいけないのが、最後のお楽しみのそば湯!
紡ぎさんのそばを茹でた後のゆで汁はとろりと濃厚。そばの美味しさがたっぷり溶け出ているので、そば湯にちょっと塩を入れるだけでも、滋味あふれるスープが出来上がります。
ところで添付されているそばつゆですが、昆布、かつお節、醤油、みりん、ざらめといった材料の全てにも、産地や作り手さんにこだわりが。そばの良さ、個性を最大限に引き出せるものをと、沢山の材料を試して試して、辿り着いた材料と製法であることが伺えます。
紡ぎさんのそばは、挽きたて打ちたての最高の鮮度で発送。香りの良さを大切にするから、届いた翌日が賞味期限というのも納得です。(届いたら1分でも早く食べていただきたい!)
そばという作物の持つ力、そしてそれを育む信州の土地、水、空気といった清冽で豊かな自然、また、そばや調味料の生産者さんの技術や思い、それら全てを紡ぎの店主やおかみが確かな技術と愛情で形にした十割そばは、届いた時の第一印象が、「あ、信州が自然ごと届いた!」でした。
是非、皆さまにも食べていただきたい逸品です。
小笠原由貴さん(チーズライター・パン教室「ラ・ナチュール」主宰)
旅行会社勤務を経て渡米。ナパバレーやバークレーでの料理修行を通し、地産地消、オーガニック、素材を活かした料理を知る。帰国後、レストランやチーズ専門店で働いた後、パン教室をオープン。Simple & Natural をモットーとするレシピに質の良い食材は欠かせず、美味しいものを求めて、お取り寄せするのはもちろん、国内外の生産者を実際に訪ねている。また、チーズセミナーの講師を務めたり、All About等の媒体でチーズについての記事を執筆。最近では、スウェーデンMATEUS社の食器を販売する“La Table”も運営。
[ウェブサイト] パン教室“la nature”All About チーズガイド
l'Atelier de Nature(ラトリエ ド ナチュール)
酪農ビストロのとろけるチーズレシピ