お取り寄せの達人のオススメ!
chicoさん(スイーツライター)
帝国ホテル出身シェフが「父のハチミツ」で生み出す、ふくよかな焼き菓子

しっとりじゅわり。『DRESS MITA MASAKI LAB. 』のフィナンシェは、バターのこくにハチミツの可憐な香りが見事に調和していきます。
「父が手がける、花の香りが豊かで雑味のないクリアな天然ハチミツを使っているんです」。
養蜂家であるお父さんのハチミツの話をするとき、いつも三田正樹シェフは少し嬉しそう。
『帝国ホテル』で10年キャリアを積み、『上高地帝国ホテル』ではペストリー責任者を務めた三田シェフ、地元新潟に戻ってからは、30年以上続くお父さんの『新潟養蜂』を手伝いながらハチミツの深い知識を身につけたとか。
「大切にしているのはミツバチが健康でたくましくあること。そのために体調管理をして栄養をたっぷり与え、愛情込めて育てています」。
その天然ハチミツはとても純度が高く、完熟した甘さと雑味がないクリアな風味。喉の奥にほんのり花の香りを感じられます。
そんなハチミツをたっぷり使ったのが『はちみつフィナンシェ』。袋を開けたとたんにふわりとハチミツの香りが溢れ出します。
生地は焦がしバターたっぷりで、口にすればバターのリッチ感と、ハチミツのコクと香りがひとつに。儚い口溶けでなくなった後も、野花を凝縮したように爽やかで優しい百花蜜(さまざまな花から採れたハチミツ)の余韻に満たされます。
そのままでもおいしいけれど、トースターで軽くリベイクするのもおすすめ。カリッじゅわりのコントラストが際立って、またいい感じなのです。
定番のレモンケーキもこちらではハチミツを使った『はちみつレモンケーキ』。ハチミツ×レモンの組み合わせといえば永遠の王道です。
アーモンドと百花蜜を混ぜ込み、さらに一晩しっかりと寝かせた生地はしっとりほっこり口溶けよく、上品な甘み。さらにはちみつ漬けにして深味を増したレモンピールも混ぜこまれています。トップにはレモンチョコ、底にはレモンアイシングを塗り、甘酸っぱく奥行きのあるレモン感を重ねていて、どこまでもジューシー!
レモンピールにはセミドライのリンゴも混ぜ、隠し味ならぬ隠し食感も潜ませているそう。噛むほどにフルーティさとハチミツレモンの芳醇さが溢れだします。
どのお菓子にも通ずる豊かな香りやこく、しっとり感はハチミツならでは。でももちろん、入れればいいというわけではありません。
「レシピにハチミツと書いてあるだけではたどりつけない、ハチミツへの理解が必要なんです」と三田シェフ。
ハチミツの量にしても卵白メインか全卵メインの生地かで変えていて、卵白を使うフィナンシェでは入れすぎるとベタつくから気をつけつつ、味も食感も一番良くなるよう細かく調整しているそう。また、レモンケーキではあくまでレモンが主役だからと、あえて抑え目にしたハチミツ使いで、最高の脇役に。
帝国ホテルで培った経験や技術と、養蜂場で得た知識、そしてお父さんのハチミツ……その全ての結晶みたいな、親子のハチミツ愛溢れる焼き菓子がここにあります。
chicoさん(スイーツライター)
スイーツトレンドに精通し、「anan」や「Hanako」、「ELLE goumet」はじめ多数の雑誌やWeb、TVでスイーツ記事の執筆や特集企画監修・出演を行うほか、ギフトのセレクトショップ、ECサイトなどでスイーツ監修も手がける。「anan」で「Food topics 〜chicoのお菓子な宝物」、「SALUS」で「もらって嬉しい手土産スイーツ」を連載中。『東京の本当においしいスイーツ探し』シリーズ監修。共著に『東京最高のパティスリー』。
[ウェブサイト] Twitter「anan」連載中「chicoのお菓子な宝物」
「SALUS」連載中「もらって嬉しい手土産スイーツ」